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<PTA>役員決めは罰ゲーム? 

◇一人一役/全員くじ引き/参加強制は「違憲」/「やって良かった」の声も/祖父母巻き込もう
入学式や進級で喜びいっぱいの春なのに、花粉症ならぬ「PTAの役員決め」で気が沈むという方もいるのでは。「一人一役」「ポイント制」「問答無用の全員くじ引き」「必ず1回は役員を」。新手の選出法が出れば出るほどプレッシャーは大きく……なんでこうなるの。【小国綾子】

 誰も挙手しない。口も開かない。それが30分以上。4月中旬、横浜市立小の役員決めの一場面だ。「ああ、早く帰りたい」。皆がイライラし始めた時、ある母親が言い放った。「過去に何の役員もやっていない人から選ぶのが平等じゃないかしら」。次の瞬間、役員経験者らしい母親たちから大きな拍手!

 「怖い」。うつ病を抱える母親(42)は身がすくんだという。事前に病名を教師に打ち明け、役員を免除してもらうつもりだったが機を逸した。「拍手を聞いて『逃げられない』とパニックになってしまった」。気づけば手を挙げていた。「やります」。それほどのプレッシャーなのだ。

 6年間、役員にならなかった方には学校のトイレ掃除をしていただきます--。首都圏の公立小の役員選出アンケートにそうあるのを見て、ある40代の保護者は仰天した。「罰ゲームじゃあるまいし」。しかし働く母親の中には「1度の掃除で済むなら」とあえて選ぶ人もいるという。

 「平等に全員参加を」は今どきの役員決めで必ずと言ってよいほど飛び出す言葉だ。

 かつては互選や立候補が多かった。「子供が学校から茶封筒を持ち帰ったら、それはPTAからの“召集令状”。互選だと名簿の一番上や下の人に票が集まりやすい。名字が『よ』で始まるので何度も役員をやりました」(山口県、42歳)。このように負担が集中するのを避け、より平等に、と編み出されたのが役目を増やして全員で分担する「一人一役」制や、本部役員、その他の役員など役職に応じて点数を付与し、次回の役員決めの参考にする「ポイント制」だ。

 引き受けられない理由を全員の前で開示し、皆に認めてもらえない限り問答無用の「全員くじ引き」やじゃんけんをするというのも、今やあちこちの学校で最終手段となっている。

 小学校高学年の本部役員決めの後、極度の緊張から急に解かれたためか、歯をガチガチと鳴らす人、涙目の人、座り込む人が続出……。そんな母親たちの姿に「PTA再活用論」の著書もある作家、川端裕人さん(49)はあぜんとした。実は、役員として選出に立ち会った川端さんもまた、ストレスで手の震えがしばらく止まらなかったという。

 「公平と平等を追求するうち、PTAは義務と負担と強制の組織になってしまった」と問題を指摘する。別の年には役員を引き受けていた母親が任期中にがんで亡くなった。「『平等に』と全員に網をかければ、本当に大変な人を非人道的なまでに追い詰めかねないのです」。悩んだ末、川端さんはPTAを退会した。

 東京都内の小学校で“衝撃のPTAデビュー”をしたのは首都大学東京准教授(憲法学)の木村草太さんだ。入学式が終わると突然PTAの説明が始まり、「我が校は一人一役です」と書かれた規約が配布された。思わず役員を引き留め、「『全児童の保護者と教員を会員とする』とありますが、PTAは任意団体。自動的に全員会員になる規約は法的に無効です」。周囲はポカーン。

 木村さんは「憲法21条は『結社の自由』つまり結社しない自由も認めている。参加強制は『違憲』」と語る。後日学校長から「確かに入会は任意。規約はあくまでPTAの気持ちを書いたものです」との説明を受けた。「心を込めて書かれたポエム、みたいなものですかねえ」と木村さんは苦笑いする。

 「PTAは入退会自由」は文部科学省も認める原則だ。しかし「教師と親の連携を理想とする教育基本法の精神を考えると、入退会自由をことさらには広報しづらい」(同省)。つまり退会者が増えて組織が成り立たなくなることを危惧し、文科省も学校も声高には宣伝しないのだ。

 実際に退会を選んだ神奈川県の母親(42)はPTA会長に「他の役員には言わず内々に退会処理しますので」と、暗に口外しないよう頼まれたという。

 「『やらない人はずるい』『全員で平等に』という声が上がる時点で、そのPTAは存在意義を失いかけている。嫌な役目と皆が思うからロシアンルーレットか罰ゲームみたいに全員で回そう、となる」。そう指摘するのは、子育て支援などに詳しい恵泉女学園大学の大日向雅美教授だ。

 もちろん、改革に乗り出すPTAも増えている。「入退会自由」をうたい、活動内容を見直したり、行事ごとにボランティアを募ったり、地域の人々を巻き込んだ「学校応援団」を作ったり……。

 埼玉県の中学でPTA改革を模索する40代の父親は「抱える問題は多いですが、PTAのような形の組織はあった方がいいし、役員をやって良かったとも思うんです。だから多くの人が参加したくなる民主的な組織にしたい。そうすれば『やらない人はずるい』なんて嫌な言葉も出てこなくなるのでは」と目標を語る。

 東京都の母親(53)はこの春も下の子の高校でクラス役員を引き受けた。「活動に参加すると、『息子の学校』でしかなかった学校に愛着がわき、もり立てたい気持ちになる」とやりがいを語る。ゼクシオ8アイアン

 戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導でスタートしたPTA。教師と親が手を携え、対等な立場で学ぶ場で、「民主主義の学校」と呼ばれた時期もある。

 大日向教授はいう。「民主的な学校運営のために、PTA的な機能はやはり必要です。ただ今のPTAは専業主婦を前提とした高度成長期のシステムで、すでに制度疲労を起こしています。忙しい現役世代の保護者だけで活動を担うのはもはや無理なんです」

 そこで提案するのはPTAならぬ「GPTA」。「地域の団塊世代、つまりGP(グランドペアレント)にもPTAにボランティア参加してもらっては? 今の時代に求められているのは、子供や親を地域や社会が応援すること。保護者だけに、まして母親だけに押しつけるような組織ではダメ。学校にもPTAにも新しい風が必要です」

 たかがPTA、されどPTA。民主主義を学び直すつもりになれば、役員選びも楽しく……ならないでしょうか?


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